クソジャケ
音楽のレコメンドはありがたいというような話をきいた。
そういえばtwitterでは何を聞いただのよく書き込んでいる。
なんだか不思議とレコメンドと言われて違和感があって
そういう意識なかったんだなぁと気づいたりした。
飯くったら美味かった、に近い。
今日は音楽について書きこもうと思う。
世の中には見るだに脱力してしまうような、
残念なジャケットをまとって発売されるレコードがある。
そんなものを「クソジャケ」と呼んで愛好する者達がいる。
ネーミングからわかる通りみうらじゅん直系の概念で、
独特のローファイ感からセンスオブワンダー、もののあはれを
感じて楽しもうという貴族的な趣味にほかならない。
クソジャケ界には定番というものがいくつもあって
特に断りがなくても素で大体ダサいメタル界は
佳作が多いことでよく知られている。
例えばイングウェイのTrilogyは、ロックにハマった中学高校生を
TSUTAYAで爆笑の渦に落としこむ。定番、マスターピースと言える。
ポーズ、ギター、炎、ドラゴン、なんかしょっぱいイラスト、
どっから突っ込んでいいか分からない。
イングウェイほど言語化が容易いわけではないが
マノウォーもまた味わい深い有名なクソジャケだ。
彼らがどんなバンドなのかは実は寡聞にして存じあげないのだが
「俺らは筋肉がついている」以外のメッセージは特に感じられない。
音楽はそんなに変じゃないのに…
二枚、定番のクソジャケを紹介したが、
音楽を愛するものであれば、一枚や二枚は
心にクソジャケを秘めているものだ。
個人的に圧倒的なのは冨田勲のバッハだった。
何かの間違いじゃないかと一瞬思ってしまうがコレで間違いない。
冨田勲にもバッハにもどっちにもマッチしていない。
多分、シンセサイザーのサイバー感を表現した
ギラギラした色合い、wordで作ったんじゃないかというような表現。
書いてみると気持ちがわかってくる気もしてくるのだが
一体意思決定のプロセスに何が起きていたのだろう。
冨田勲のバッハは今まで圧倒的に自分の中では一位だったのだが
今日、メジャーなバンドでそれを凌駕せんかという勢いの
クソジャケを発見したのでそれをご紹介しよう。
YESのベスト盤なんだが、どうしてこうなった。
技術の時間に高校生が習作で作ったのかと邪推したくなる。
雲模様2フィルタとグラデーションとジャケット画像の賜物だ
YESロゴが上部センターに、という
フォーマットが踏襲されているせいでかろうじて
YESというバンドのジャケットに見えるのだが
これがなければ何がなんだかわかるまい。
新品の画像なのに既に中古の風格がある。
公民館や図書館のCD貸出コーナーにくたびれた状態で
陳列されているのがありありと想像できてしまう。
クソジャケ界でもかなり攻めた一枚である。
今回は四枚しか紹介出来なかったがクソジャケの道は深い。
皆さんもオススメのクソジャケがあれば是非教えていただきたい。