クソゲーオブザイヤーのまとめを待ち続けている
もう五年?十年前にもなるのだろうか。祖父が死んだ。
顔に白布をかけられ、布団に横たわる祖父の亡骸に触れた。
冷たい人体は人体に感じない。ゴムのようだ。
出棺の直前、花を放り込んでいる時、祖母は
祖父の顔にペタペタと触れ、泣きながら
「今までありがとうねありがとうね」と言っていた。
その祖母も逝った。人はボケはじめてしまうと、
あっという間に顔が老人のそれになるのだと知る。
祖母の葬式で初めて、祖母が八人だか十人兄弟なのだと知った。
祖母は確か長女だった。葬式にも見かけない他の数人はどうしているのだろう。
葬式の帰りに食事をしていて、祖父母と同居していた叔父家族の話を聞き
祖父がかなり偏屈な人物だったのを初めて知った。
孫の立場から見る祖父はいつも優しそうに
ニコニコしているだけの老人だった。
もうかなり白髪の交じる叔父が親戚一同を前に挨拶をした。
どんなに大人だからといって葬式の喪主というのは二度経験すれば多いのだし、
急に明日父か母が死んだらあそこに立って
しかめつらで挨拶をするのは自分なのだ。
それにしても一体何年前に祖父は逝ったのだろうか。
反射的に検索をかけようとして思いとどまる。
もし忘れてしまえば存在しないことになってしまうのだが。