旅行の顛末 3

短くなるかもしれないと書いたが未だに一日目が終わらない。

紙の日記に書いた方がいいのではっていう具合の記録だが

今日で終わるだろうか。上手く行ったらお慰みだ。

 

事実の列記でこんなに文字数がどんどん埋まるんだったら

中学や高校の頃、修学旅行の感想文なんか一時間で

チョチョイのチョイだったよなと思ってしまうが

人生そう上手くはいかんな。

 

 

 続々 一日目

 

大通寺を出たあとそのへんにプラモ屋があり

都内でもあまり見かけなくなったので少し寄らせて頂いた。

ザンボット3だのなんだのレトロな商品が一つ数千円で売っている。

無闇矢鱈に充実した品揃えとガラスケース内の作例がおかしい。

一体そんなに客が買いに来るのだろうか。

さらに長浜には海洋堂のミュージアムがある。

海洋堂と滋賀県長浜市の縁はいまいちわからないのだが

プラモを引き寄せる何かがあるのだろうか。

 

当の海洋堂ミュージアムは長浜に降りた当初「行こう」と

言って黒壁に繰り出したものの、一同早朝からの長い旅路での疲れや空腹、

また長浜で見て来たものの中で唯一有料であることと、さらに

たった800円ながら「入場料に見合っていない」などと

レビューされていたことが決定打となったか、入り口まで来たものの

誰が「よそう」と言うでもなく無言のうちに一行はミュージアムを去った。

 

それなりの空腹と疲労を感じ、店に入ってしばしの休息をとる。

地ビールの長浜浪漫ビールとソーセージをいただく。

ソーセージはまぁソーセージであったがビールは美味しい。

まだ日の高いうちから一杯やる背徳感、ダメな大人の夏休みを堪能する。

小一時間足を休ませた後、長浜を出るにあたり電車が30分に一本だとかで

時計をみながらいそいそと店をあとにし長浜駅へと戻った。

 

黒壁の風情ある街並みと長浜の間に「長浜タワー」なる謎のビルがあり

これが普通の雑居ビルの上にお飾り程度の鉄塔が立っているものなのだが

なにがどうなって「長浜タワー」なのかが分からず「これはすごい」と盛り上がった。

あれだけ印象的なのだから写真の一枚ぐらいはネットにあるだろうと調べると

wikipediaの項目まであった。記事によると本気で東京タワー

みたいなものを目指して作ったそうだが、

写真を見てもらえばわかるが東京タワーとは似ても似つかない。

電気が流行ってるから電気ブランと名付けてみようぐらいの感覚で

それが何だかはしらないが「タワー」と名付けたぐらいにしか見えない。

 

それとまったく長浜の土地柄とは関係のない話だが

長浜タワーらへんの掲示板に平原綾香のライブポスターが貼ってあり

それが異な格好をして飛び跳ねた綾香嬢の写真であったために

平原綾香とはこのようなキャラであったかと軽い物議を醸した。

 

そこから長浜を出てY実家がある甲西に向かった筈だ。

疲れと早起きと空きっ腹にビールを入れたことでフッと眠くなり

ここらへんのことは記憶が薄い。

 

甲西を降りると既にY実家より母上と妹君に車二台で来ていただいており

母車にF、それ以外を次女車に乗せ出発した。

因みにY母はYと似ている所があり、遠目にも血縁者であることがすぐ分かった。

Y実家は一言でいうならば山の中。Nが「合宿っぽい」と言ったが的を射ている。

神奈川の味気ないベッドタウンに育った自分にとっては

どうしても人が日常的に住む場所に思えず、非日常感が漂っている。

「自然がいっぱいの豊かな土地で子供ものびのび育つ」といった

連想をしなくもないのだが、なにぶんここで育った人間としてYがいる。

Yは今のところ私の知り合いで最もパンクな人生を送ってきた人間である。

 

Y実家に伺ってからいったいいつ何をしたのかの記憶が薄い。

何かをした要素は憶えているが時間軸上に並べるのが困難だ。

移動に紐付けられていないからだろう。

 

長女Yのご家族のうち在宅の母、次女、三女には会って話ができた。

顔はなんだかYが一番似ていない。父方に似たのだろうか。

声は長女→次女→三女と高くなる。喋り方は妹二人は似ていてYは異質。

姉妹並べるとYは妙に姉感のある人物で、よく友達の家に行って

「あらいらっしゃい」と出てくる友達の姉貴とはああいう人物だったと思う。

 

4へ続く

 

まだ1日目が微妙に終わらんのだが、そう内容も残っておらんだろうし

2日目、3日目は記憶が薄いのできっともっと簡素になるだろう。